ナイアシン欠乏症 ペラグラとは
日本ではほとんど患者が見られませんが、ナイアシン欠乏はペアグラと呼ばれる症状を引き起こすことで有名です。
ペラグラとはナイアシンの欠乏に加えて日光に当たることによって発症します。脚気や壊血病、くる病、悪性貧血とともに5大ビタミン欠乏症の一つに数えられています。
ヨーロッパやメキシコ、南米などトウモロコシを主食とする地域で多くの発症者が出ています。
主食の偏りに加えてアルコール摂取などでナイアシンが欠乏したことによって、日光に当たりやすい顔や首筋、手足などに炎症ができます。
悪化すると胃腸障害や精神障害(うつ病、統合失調症など)を発症します。
ナイアシンはお酒を飲めば飲むほど消費されるため、アルコール依存症の人は特に不足気味となります。
そのため日本でもアルコール依存症患者の一部ににペアグラが発症しているケースが出ています。
ナイアシンの働きが解明された今日では、ナイアシン・ビタミンB群を摂取することでペアグラは治療出来ることが知られていますが、以前は錯乱・幻覚症状を引き起こすだけでなく最悪の場合死に至る病とされていました。
ナイアシンは肉や魚、豆類、小麦全粒粉、小麦胚芽、卵、ローストしたピーナッツ、なつめ、アボガド、いちじく、プルーンなどにも多く含まれています。
また、ビタミンB1、B2、B6が不足するとナイアシンの合成能力も低下するため、これらのビタミンも不足しないように摂取することを心がけましょう。